今年の桜と気象の移ろい

気象予報士竹内慶高氏監修
(株式会社サーフレジェンド)

桜の花の芽は、夏に作られます。気温が低くなる初冬に一度成長が止まり(休眠)、その後、真冬の厳しい寒さによって休眠から目覚めます(休眠打破)。そして、春に向かうにつれて暖かさによって成長し、開花していきます。今年は1月から2月にかけて平年より寒い日が多く、桜にとって十分に休眠打破された状態であったと考えられます。

3月に入ると、一転して平年よりかなり暖かい日が続いたため、花の芽も一気に成長。東京の桜としては、平年より4日早い、3月20日の開花となりました。さらに、3月24日~31日にかけては特に春らしい陽気となり、つぼみはいっせいに開いていきました。開花状況や気温を考えると、この期間が最も見頃だったと言えます。

その後は、冷たい空気を伴った低気圧が接近し、寒の戻りとなりました。平年より暖かい日が続いた後でジェットコースター的に気温が下がるかたちとなり、その寒暖差の激しさに、人々にとっても桜にとっても、とりわけ寒く感じられたことでしょう。

4月5日以降は夏のような汗ばむ陽気となり、新年度を迎えた人々の新しい門出を祝うかの如く優雅に散っていった桜の花は、とても感動的でした。

[3/14〜4/12の気温]

[3/14〜4/12の降水量]

[3/14〜4/12の最大風速]

  • 3月14日〜19日の気象
    3月14日には、「春二番」(春一番に続く暖かくて強い南風。春三番、春四番と続く)が吹きつけました。その後は春を感じさせる日が続き、桜のつぼみもだいぶ膨らんでいきます。しかし、3月18~19日にかけては低気圧が発達しながら通過し、冷たく強い北風が吹き荒れる春の嵐となりました。
  • 3月20日〜23日の気象
    3月20日には、東京の桜が開花。その後、3月22~23日にかけては再び低気圧の影響を受けて冷たい雨が降り、最低気温が2度台にまで下がる厳しい寒さとなりますが、桜はたくましく花を咲かせていきます。
  • 3月24日〜31日の気象
    それまでとは打って変わって、春らしい陽気へ。一気に開花が進みました。3月26日には暖かい空気を伴った低気圧が通過し、強い南風「春三番」が吹き荒れます。そして翌3月27日には、待望の満開となりました。桜にとっては、まさに春爛漫という期間でした。
  • 4月1日〜4日の気象
    この時期にしては強い寒の戻りがありました。低気圧の影響で雨が降り、最高気温も10℃程度までしか上がらず、冷え込んだ日が続きます。花見をする人にとっても厳しい寒さとなり、桜の花は散りはじめました。
  • 4月5日〜12日の気象
    ふたたび穏やかな暖かさが戻った後は、夏をも感じさせるほどに気温が上がる日も。明るい陽の光が燦々と降り注ぐ中で花びらを美しく舞わせながら、今年の桜は静かに幕を下ろしました。
  • 特別協賛:株式会社 アートブレーンカンパニー
  • 気象監修:株式会社 サーフレジェンド